送出ディレクター
放送業界では80年代終盤からIT化が始まります。
ほとんどの人がパソコンに触ったことがない時代。
パソコンに詳しい制作ディレクターがコントローラーに座ることになります。
やがて送出や静止画その他周辺業務を専門にする、
送出ディレクターが生まれます。
ゲスト出演時のカメラスイッチングもコントローラーで操作しました。
アナログVTRではスーパー入れをすると画質が落ちるため生放送で静止画を乗せていました。
元々は静止画のナンバリングが仕事でしたが、やがて校閲のような役割をするようになります。
生スーパーをするためアナウンサーの読み合わせの立ち会い。
ナレーション入れのためコントローラーの立ち上げと、トークバックが無いためブース内での立ち会い。
大相撲中入り後の動画の事前収録。
中継回線の申し込みとコントローラーへの割り付け。
DVルームの静止画手配。
野球結果画面の順番などの確認。
技術打ち合わせへの参加。
かつては「アバンデラドがいなければ放送が出ない」と言われたこともありました。
現在では、必要のなくなった業務や、役割分担の変更など、
多くの番組でその役割を終えましたが、
「おはよう日本・スポーツコーナー」では今でも健在です。
生字幕ディレクター
文字多重放送をご存じですか? テレビのリモコンにある「字幕」ボタンを一度押すたびに出たり消えたりする字幕機能のことです。米国にも同様の機能がありクローズドキャプション(略してCC)と呼ばれています。
二カ国語の映画では、外国語で聴取するときに字幕を出したりします。またミュージックビデオでは歌詞が出てくるのでいっしょに歌えたりしますね。
収録済みの番組では音声とリンクして放送されるのですが、生番組の場合は数秒遅れで放送されます。それでも聴覚障害の方からはたいへん感謝されているそうです。
キーボード方式の場合、この遅れて出てくる数秒間の間に3人のオペレータがキーボードで文字を起こし、技術者が元々の画面にある他のテロップと重ならないように位置を変えて字幕を乗せています。(この他、リスピーク方式などがあります)
生字幕ディレクターは事前に台本等を入手したり、リハーサルを見て専門用語をチェックして準備を進めます。放送中は話している人ごとに色を変えたりするのが仕事です。
制作ディレクター
スポーツニュースでは幾つもの試合を伝えます。制作ディレクターはそれぞれの担当が決まれば、試合開始前にチ-ムや選手に関するデータを収集します。
試合終了直後にすぐ放送という場合もあり、VTR編集者が試合の途中から作業を始める事も日常です。そのつど現場の記者や取材ディレクターと構成の打ち合わせをして対応します。現場の雰囲気をそのまま伝えられるようにテロップスーパーなどで工夫する事も重要です。